ギタリスト新井伴典の???

公式サイト http://arai-guitar.com/

前のブログ記事から「2穴式?3穴式?」という質問がありましたので、ご紹介したいと思います。
※ 良い悪いを評価するものではありません。

 

1穴式

(一般的な?普通の?)は良くご存知かと思います。1回通してヨジるやつです。巻きつけるとき低音弦はガリガリ引っ張るので私はストレスを感じます。①②弦のヨジりは2回(③弦カーボン弦の場合は細いのでは2回ヨジり)です。低音弦はヨジらなくても問題ないです(写真は⑥~③1回ヨジり、①②弦は2回)。①②弦は2回ヨジらないとすべり抜けして表面版に弦鞭(ムチ)を食らい、下手をすると表面版に穴があきますので注意。1穴式を弦の力で2穴式にしないようにしましょう。4回も5回もヨジっているのを見かけますが、めんどくさいだけで音にはまったく関係ない(と思います)です。
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ブリッジ角度は引っ張られているのでブリッジ骨棒から穴まで真っ直になりません。ブリッジ角度の引っ張られ部分は穴方向に押し込んだ方が真っ直ぐに近い角度を保てます。この引っ張られ部分から弦切れが梅雨の季節に良く起こります。押し込めば弦切れを少なく出来る(はず)。※ 写真は押し込んでいません。押し込んだ写真は撮り忘れました。
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↓↓↓↓↓ ブリッジ骨棒から穴まで真っ直ぐ ↓↓↓↓↓
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どうしても高音弦ムチバチンが怖いとき

は、弦先にタンコブ結びを作ると良いですが、見た目が良くないかもしれません。すべらないのを確認できるまで、スクラッチガードを貼って(置いて)弦を交換すると安心かと思います。また作業中の手での引っ掻き傷防止にもなります。

 

2穴式

誰が始めたか知りませんが25年前くらいからこれを採用する製作家も増えてきました。ブリッジ骨棒から穴まで真っ直ぐにするのが目的です。これにクリアトーンやスーパーチップ等をかませても音には全く関係ない(と思います)です。低音弦は1回引っ掛けるだけで便利。高音弦はすべり抜け防止で2回巻いてタンコブを作ります。私はこれが一番楽です。私が楽器を注文するときは2穴式を頼んでいます。

③弦が黄色いのはハナバッハ・ゴールディンです。一応ハナバッハの宣伝マンなので、、、『クリアできらびやかながらも、一般的なカーボン弦よりウォームな音色。』って書いてありますが、これは本当にそう思います。しかしセット価格がシルバースペシャル(ハナバッハのスタンダード弦)の倍って知らなかった。③弦に関しては結構長持ちしますので音程が変にならない限り張りっぱなしでもOK(かな?)。

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3穴式

ブリッジに上部分に巻き付けないので傷や跡が付きませんが、これ、めんどくさいです。これもブリッジ骨棒から穴まで真っ直ぐになります。どなたがいつ考案したのか知りませんが、25年位前に2穴、2015年位に3穴。2035年には4つ穴、2070年にはブリッジはもう穴だらけで、、、、なわけないですね。

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1穴式タンコブ法

見ての通りタンコブを作ってで止めるだけです。1穴式でクリアトーンやスーパーチップなどを使わず手軽にブリッジ骨棒から穴まで真っ直ぐにできます。ということはクリアトーンやスーパーチップはいい音になるんじゃないかっていう気持ちの問題ということにな(ると思います)ります。

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 ベルナベ弦は直結法でプラスチッククッションが付いています。おそらくはクッションが音に影響するというよりもタンコブが穴に食い込むのを防止するものと思われます。が、どうなんでしょ?しかもスクラッチガード標準装備!!!
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おまけ1。パノルモコピーの弦止め

弦にタンコブを作って穴に差し込んで蓋をするだけ。直接顔に弦ビンタ、もしくは蓋ビンタを食らいそうで結構怖い。しかも蓋が飛んでいってマンホールの穴にでも落ちたら終わり(落ちるか!!)です。もちろんクリアトーンの類もマンホールの穴に落としたらアレです。

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おまけ2。直結&普通巻きのミックス
意味全くなし。余分な弦は切ろう(笑)
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総評

まぁ十分なブリッジ角度が付いていれば何でもいいんじゃないの?と思います。

約一ヶ月の入院から帰ってきました。
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といっても私本人ではありません。ギターです。父が使用していたバルベロ2世(1970 48歳)です。問題の箇所は、、、

 

フレッチング・・・どうもチューニングがうまくいかず、よく見たら数箇所、ごくわずかですがフレットが”ハ”の字に!ハ長調も合わない状態に!!かなりテキトーで、リペアして下さったK氏も苦笑。

 

弦長・・・これまたいい加減で654.8mm!!??K氏も開いた口がさらに開いて、、、

ブリッジ高・・・ブリッジ角度25度くらいで低すぎ!!

 

まず、フレッチングを直す場合フレット溝を切りなおすので指板(黒い木 黒檀)を引っぺがします。また弦長も標準の650mmに修正するので、サドル部分を4.8mmブリッジよりへ。空いた部分は木で埋め(写真、サドル骨棒の左の黒い部分。おそらくローズウッド)ます。約サドル骨棒1個くらいです。
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指板を張り替える際、ブリッジ角度を高くするため、指板をやや厚め(見た感じ元より3mmほど厚く)に。これでブリッジ角度がほぼ45度くらいに。
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12フレットは2.4mmブリッジよりにずれます。ところで退院して来てから気付きましたが、12フレット付近の①弦側と⑥弦側で側面板の結合部分ずれてますよね?バルベロさんがいい加減なのか(この楽器に関しては相当いい加減)、こういうものなのか(笑)。皆様の楽器はいかがでしょうか?
↓↓↓↓↓①弦側から12フレット↓↓↓↓↓
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↓↓↓↓↓⑥弦側から12フレット↓↓↓↓↓
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⑥弦側が1mmくらいサドル寄り?!
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音はだいぶ、というか相当シャキッとしました。通常、弦高を高くすれば音量が少し増すのはわかっていましたが、ここまで急激に変化させたのは初めてでしたので、重要さを実感しました。で、さらにクリアトーンをかまします。これは気持ちの問題。①弦15フレットのG音の引っ込み系ウルフも軽減されました。しかし①弦7フレットBが出ちゃう系ウルフに!ウルフは弦長変えるとずれるそうです。へぇー!!同じ押さえがポジションによってビリツクのも解消したように思います。調弦もOK。
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クリアトーンは気持ちの問題でかませた方がいいと思います。弦交換も楽で低音弦ガリガリやらんですみます。あと写真撮っていてまた気付きましたがクリアトーンに裏表があるんですね。写真は⑤、⑥弦がおそらく逆さです。穴の形状が違います。間違えても音には関係ないです(とおもいます)が。クリアトーンは2穴式、3穴式にかましても意味ありません。

 

バルベロは父のギターなのでオリジナルのまま残そうか悩んだのですが、弾いてあげた方がいいと判断して思い切って入院させて良かったと思います。

弦長を変更するような大胆な修正は自己責任でお願いいたします。製作家、リペアマンの方々はどんな些細な修理でも「音が変わるかもしれません」とお答えになります。良くなる悪くなるは答えません。

本当にあった修理依頼

依頼主「フレタの音にしてください」
製作家「フレタ買ってください」
新井「フレタなんて触れたこともない」

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