約一ヶ月の入院から帰ってきました。
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といっても私本人ではありません。ギターです。父が使用していたバルベロ2世(1970 48歳)です。問題の箇所は、、、

 

フレッチング・・・どうもチューニングがうまくいかず、よく見たら数箇所、ごくわずかですがフレットが”ハ”の字に!ハ長調も合わない状態に!!かなりテキトーで、リペアして下さったK氏も苦笑。

 

弦長・・・これまたいい加減で654.8mm!!??K氏も開いた口がさらに開いて、、、

ブリッジ高・・・ブリッジ角度25度くらいで低すぎ!!

 

まず、フレッチングを直す場合フレット溝を切りなおすので指板(黒い木 黒檀)を引っぺがします。また弦長も標準の650mmに修正するので、サドル部分を4.8mmブリッジよりへ。空いた部分は木で埋め(写真、サドル骨棒の左の黒い部分。おそらくローズウッド)ます。約サドル骨棒1個くらいです。
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指板を張り替える際、ブリッジ角度を高くするため、指板をやや厚め(見た感じ元より3mmほど厚く)に。これでブリッジ角度がほぼ45度くらいに。
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12フレットは2.4mmブリッジよりにずれます。ところで退院して来てから気付きましたが、12フレット付近の①弦側と⑥弦側で側面板の結合部分ずれてますよね?バルベロさんがいい加減なのか(この楽器に関しては相当いい加減)、こういうものなのか(笑)。皆様の楽器はいかがでしょうか?
↓↓↓↓↓①弦側から12フレット↓↓↓↓↓
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↓↓↓↓↓⑥弦側から12フレット↓↓↓↓↓
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⑥弦側が1mmくらいサドル寄り?!
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音はだいぶ、というか相当シャキッとしました。通常、弦高を高くすれば音量が少し増すのはわかっていましたが、ここまで急激に変化させたのは初めてでしたので、重要さを実感しました。で、さらにクリアトーンをかまします。これは気持ちの問題。①弦15フレットのG音の引っ込み系ウルフも軽減されました。しかし①弦7フレットBが出ちゃう系ウルフに!ウルフは弦長変えるとずれるそうです。へぇー!!同じ押さえがポジションによってビリツクのも解消したように思います。調弦もOK。
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クリアトーンは気持ちの問題でかませた方がいいと思います。弦交換も楽で低音弦ガリガリやらんですみます。あと写真撮っていてまた気付きましたがクリアトーンに裏表があるんですね。写真は⑤、⑥弦がおそらく逆さです。穴の形状が違います。間違えても音には関係ないです(とおもいます)が。クリアトーンは2穴式、3穴式にかましても意味ありません。

 

バルベロは父のギターなのでオリジナルのまま残そうか悩んだのですが、弾いてあげた方がいいと判断して思い切って入院させて良かったと思います。

弦長を変更するような大胆な修正は自己責任でお願いいたします。製作家、リペアマンの方々はどんな些細な修理でも「音が変わるかもしれません」とお答えになります。良くなる悪くなるは答えません。

本当にあった修理依頼

依頼主「フレタの音にしてください」
製作家「フレタ買ってください」
新井「フレタなんて触れたこともない」